さらに追記です。
じゃあファジー論理はこの連鎖推論のパラドクスをどのようにして、解決しているのかというお話です*1。以下理解が怪しいなりに自分の読んだことを書いてみます。

ファジー論理では、真理値が1か0ではありません。
ここで、先ほどの例とはちょっと変えて(というかこっちのほうが一般的っぽいので)

髪の毛が0本の人はハゲである
髪の毛が1本の人はハゲである

髪の毛が999999本の人はハゲである
髪の毛が1000000本の人はハゲである

という例を考え、ハゲであるという関数Hage(x)に対する真理値をファジーにとってみると

Hage(0本) = 1
Hage(1本) = 0.99

Hage(999999本) = 0.02
Hage(1000000本) = 0.01

とおけるとして考えてみます。*2
ここで、ファジー論理では、真理値が低いものから真理値が低いものは導くことができない、という話がでてきます。
つまり、Hage(0本)ならばHage(1本)という命題がなりたたないということです。*3
(いいかえるならば、髪の毛が0本の人がハゲであるという命題から、髪の毛が1本の人はハゲであるということが言えないということです。)
故に、連鎖推論のパラドクスは成り立たないということになります。

と、書いてみましたが、ちょっとわかりにくい書き方かつ自分の理解が怪しいかもしれないので、気がついたかたは指摘していただけるとありがたいです…。

*1:これは『論理学をつくる』のpp.289〜291あたりです

*2:ようするにここではハゲ度合いっていうことでいいと思います

*3:ファジーではない論理、つまり、真か偽どちらかはっきり決まる2値論理でいう偽な命題から真な命題が導けないということの拡張として考えていいと思います。前提が偽ならその推論は誤っているということです。